今回は、
- 大学受験化学の参考書の基本的な使い方
- 大学受験化学のおすすめ参考書
こんな話をします。
ちなみにぼくは、名古屋大学工学部に現役合格し、いまも名古屋大学で大学院生をやっております。
高校生のときは、化学に強かったおかげで受かったようなもので、化学が一番得意でした。
まあそんな感じで、化学や「化学の参考書の知識」には自信があるので、これからお話することはかなり有益なものになると思います
ぜひぜひ、参考にしてみてください!
化学の参考書の基本的な使い方
ではまず最初に
- 効率的な化学の勉強の順番
- 「講義系の参考書&問題集」の使い方
を説明していきます!
ここでは、図や文章で化学を説明してくれる参考書は「講義系の参考書」と呼ぶことにします。
化学は「理論化学」→「無機・有機」の順がおすすめ!
大学受験で勉強する化学は、大きく分けて3つの分野に分かれています。大学受験化学で勉強する3つの分野と、それぞれの内容・特徴をまとめておきます。
- 理論化学→原子の構造、モル計算、反応のいろいろ
- 無機化学→無機化合物を扱う(暗記が多め)
覚えるためには「理論化学」の知識が必要 - 有機化学 →有機化合物を扱う(暗記が多め)
勉強していくには「理論化学」の知識が必要
大学受験化学は、「理論化学」「無機化学」「有機化学」に分類できます。
上で書いたとおり、「理論化学」がベースにあって、理論化学の上に「無機化学」「有機化学」があります。化学の処理論、原子の構造、反応、モル計算などといった「理論化学」の知識は、「無機化学」や「有機化学」を勉強する上で大事な知識になってきます。
なので、勉強していく順番は「理論化学」→「無機化学・有機化学」が効率的!
「理論化学」で偏差値50前後とれるくらいまでは「理論化学」重視で勉強していきましょう!
また、「無機化学」や「有機化学」は暗記分野の傾向が強いです。なので、模試の少し前は、無機化学や有機化学を若干多めに勉強するといいです。
模試の前「後」で無機と有機をよく勉強して、段階的に得点率を上げていってください。
問題集で理解度をチェック↔講義系参考書で補強
化学の参考書は、「問題集」と「講義系の参考書」に分けられます。
受験では、これら2つをバランスよく勉強していく必要があるのです。このバランスについては、人それぞれ、好み・性格なので一概にこれがいいとは言えません。
しかし、大学受験は「点をとるゲーム」なので、「講義系の参考書をここまで読む」とかいう目標ではなく、最終目標は常に「問題集でこれくらい解けるようになる」、という目標にしましょう。
問題集は「抜き打ちテストいつでも来い状態」になるまで繰り返し解く
ここでは、化学の問題集の効率的な使い方を考えていきましょう。
いろんな受験生向けブログを見ていると、必ずと言っていいほど「問題集を何回繰り返すべきか?」みたいな話が出てきます。「3回繰り返す」というのはわりと定番の考え方。
ぼくも「3回解け」論には賛成です。ぜひ3回やってください。
しかし、ただ「3回やれ」ばいい、という話ではありません。3回で足りない場合もありますし、3回もやらなくていい場合もあります。
そこで便利な判断基準になるのが、「抜き打ちテストいつでも来い状態」という考え方です。問題集は、「抜き打ちテストいつでも来い状態」になるまで繰り返し解いてください。
「抜き打ちテストいつでも来い状態??」と思う人に向けて詳しく説明します。
あなたは今、問題を解き、答え合わせも完璧だったとします。
問題に正解した後に毎回確認して欲しいことは、「解いた問題と同じ問題を、約1ヶ月後に抜き打ちテストされたら、迷わず解けるかなぁ?」ということ。
「抜き打ちテストいつでも来い状態」というのは、1ヶ月後とかに抜き打ちテストされても「迷うことなく完璧な解答を書けますよ」、となるまでしっかりと理解するということです。
「抜き打ちテストいつでも来い状態」になったら、問題番号にマルをします。マルをつけた問題は基本的に解き返しません(ただ、定期的にパラパラ見返して、解けなくなっていそうなら解き直してみる)。
また、模範解答を見るまで理解できなかった問題は、マルではなくサンカクにしておき、模範解答や「講義系の系参考書」を見てもわからなかった場合はバツにします。
サンカクは、必ず次の日に解き直し、「抜き打ちテストいつでも来い状態」になっていたらマルに、そうでなければしっかり勉強してサンカクにしておきましょう。バツは、先生や友達、ともよし(僕です)に質問してください。
以上のように問題集を進めていけば、クリアです。
講義系の化学参考書
図や文章で化学を説明してくれる参考書は「講義系の参考書」と呼ぶことにします。
「講義系の参考書」の役割は、
- 問題集の補助
- 知識漏れをなくす
というもの。普段の勉強で分からないことが出てきたら、「講義系の参考書を辞書的に使って勉強します。
全分野を網羅的に書かれているものが多いので、「講義系の参考書」を勉強することで、知識を広げられる、知識を強化できます。
ただ、時間ばっかり消費して「勉強した気」にならないように注意してください。
適切な問題集を使って、全ての問題を「抜き打ちテストいつでも来い状態」にすることができたのなら、「講義系の参考書」を読んでいなくても大丈夫です。
「講義系の参考書」をやる場合は、時間をかけ過ぎないことに注意してください!
では、ここから、おすすめ参考書を紹介していきます!
偏差値30の人におすすめな化学参考書
高校とってもやさしい化学基礎
- 特徴:著者が中学・高校教諭。書き込み式の問題集で、中学の知識を含め、大学受験化学をゼロから易しく勉強できる。
- 難易度:★☆☆☆
中学校の化学の知識も怪しい人や、本当に化学が苦手な人におすすめの参考書です。
さすが中学・高校教諭といった感じ。毎日30分くらい時間を決めて、読み進めていきましょう。お値打ちなkindle版もありますよ!
らくらくマスター化学基礎・化学
- 特徴:超基礎問題を解いて化学の基礎力をつけるための問題集
- 難易度 ★☆☆☆
ぼくが知っている中では、はじめに解く問題集として一番おすすめな問題集。ただし、中学の知識も分からないとこがあるくらい化学が苦手な人は、「とってもやさしい基礎化学」の方がいいかもしれませんね。
はじめから読んでいって、分からないところがあったら戻って復習する、というスタンスで読んでいきましょう。
amazonのレビューを読むなり、本屋さんで読み比べてみるなりして、自分にあっている方を選んでください!
鎌田の化学基礎をはじめからていねいに
- 特徴:名前の通り、化学を「はじめから」「ていねいに」勉強できます。
- 難易度 ★☆☆☆
ぼくが高校生だったころからある、有名な参考書ですね。入門書として良書揃いの「はじめからていねいに」シリーズは、化学だけでなく全科目でおすすめです。ぼくの友達も使っていましたが、好評でした。
イラストが多いので、初学者でもとっつきやすい参考書ですよ!
偏差値50の人におすすめな化学参考書
最重点 照井式解法カードシリーズ
- 特徴:講義系の参考書として使える部分と、理解度チェックができる便利な「解法カード」というまとめ(携帯できる薄い冊子)がある。
- 難易度 ★★☆☆〜★★★☆ 偏差値40〜50とかから、名古屋大学程度のレベル(旧帝大のなかでは易しい問題揃い)の、「超がつかない」難関大まで十分対応できる。
- お気に入り度★★★★ ぼくが愛用していた参考書です。
巻末に挟まっている付録の「解法カード」というのがかなり使いやすいんです。この「解法カード」には、重要な反応、覚えるべき知識などがまとまっています。で、重要な部分は赤字で書かれているので、赤シートを使って理解度のチェックができます。
また、本文はかなり丁寧に書かれています。また、ときおりA君、B嬢、C君の会話を使って用語説明等をしてくれるので、テンポができて飽きにくく読み進められます。
暗記物傾向の強い「無機化学」「有機化学」の勉強では特に、「解法カード」が便利です。百歩譲って「理論化学」は買わないにしても、「無機化学」と「有機化学」は大学受験化学の勉強をする上で必須の参考書です!
模試前やテスト前の時期は、毎日「解法カード」を見て、知識チェックをしっかりとしましょう。
チョイス新標準問題集化学基礎・化学
- 特徴 基本問題を解く練習用。各章で「基本まとめ→基本演習→解説→実践演習」という構成をとっている。
- 難易度 ★☆☆☆〜★★☆☆
- お気に入り度 ★★★☆ 基礎固めでお世話になりました。
教科書傍用問題集(学校で買う問題集)が自分に合わない人、もしくは解き飽きるくらいやり込んだ人は、この問題集を解いて基本問題を「体に染み込ませる」といいと思います。
偏差値60の人におすすめな化学参考書
実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学
- 特徴:受験の定番問題をみっちり特訓できます。解きまくって瞬発力を上げるのに最適。
- 難易度 ★★☆☆〜★★★★
- お気に入り度★★★☆ 非常に役に立ちました。
実際に出題された入試問題を集めた問題集。改題されているものもあり、易しい問題集から、難関大受験者用の問題まで、幅広くカバーしています。
難関大受験者なら、必ずやっておくべき問題集のひとつですね。学校で買った問題集、チョイス等の基本問題集がある程度解けるようになったくらいから、この重要問題集を始めていくといいです。
ぼくが受けた名古屋大学の工学部なら、「必」印のついた問題(全体の半分弱)だけやっておけば、十分くらいですね。それ以上の大学を受ける人は「準」や「無印」、「発展」も解いていきましょう。
化学(化学基礎・化学)基礎問題精講 三訂版
- 特徴:良問揃いの問題集。解説が丁寧。
- 難易度 ★★☆☆〜★★★☆
問題精講シリーズは、良問揃いの参考書です。
重要問題集の解説もていねいですが、問題精講の解説は段違いに詳しいです。
- 重要問題集が自分には合わない
- 重要問題集のレベルだとちょっと難しい
って人は、まずは基礎問題精講をやるといいです。
これで基礎力をつけてから、重要問題集や後述する標準問題精講にいってもいいですね。
難関大受験者におすすめな化学参考書
化学[化学基礎・化学] 標準問題精講 五訂版
- 特徴:難関大を目指す人向けの問題集。「量より質」という印象で、解説がかなり詳しい。
- 難易度 ★★★☆〜★★★★
超難関大を受ける人はぜひやってください。
たくさん解いて特訓する重要問題集と比べ、標準問題精講は「解き方」「考え方」までしっかり解説してあります。重要問題集とは違った味があり、対応力がつきます。
化学の新研究―理系大学受験
- 特徴:「化学が好き」な人向けの読み物。教科書では教えてくれない知識(大学レベル)のことも書いてあって面白い。
- 難易度 ★★★☆
大学で化学を専門にしている僕からすると、正直大学受験化学はまだまだ説明不足の部分があります。具体的には、「こうなるからこうなんだ」で済ましているところがあるんですね。
化学を幅広く勉強するためには、シンプルに覚えられたほうがいいので、深く突っ込まない教育も重要です。しかし、
- もっと深く知りたい!
- そう考える理由をもっと理論的に学びたい!
と考える受験生もいるはずです(ぼくはそこまで強くは思いませんでした笑 「大学行ってからでいいや」と)。そんな、「化学の基礎理論も勉強したい」みたいに考えている高校生にはピッタリの本です。
電子の軌道論とか、電子の移動を表す矢印とか、大学で勉強することが載っていたはずです。興味ある人は買ってみるといいですよ!
センター試験におすすめな化学参考書
センター試験でた順ヒキョーな化学 みかみ一楼
- 特徴:センター化学の問題を、でた順で勉強していくという、超効率的な勉強法ができる参考書です。
- 難易度★★☆☆
- お気に入り度★★★★ ぼくが愛用していた参考書です。みかみ先生信者でした笑
問題の並び方が出る順、出題率順なので、どの問題が大事なのかが一目瞭然です。
ぼくは出題率が90%超えの問題から始めました。模試を受け、まずまずの点数がとれるようになりました。「次は60%」、「次は40%」…と使っていく内に、安定して8割〜9割の得点がとれるようになっていきました。
センター試験炎化学参考書 みかみ一楼
- 特徴:点をとるテクニックが満載の良書。著者のみかみ先生が重要視している「スピード」を身につけられる
- 難易度 ★★☆☆
- お気に入り度 ★★★☆
受験化学で有名な、みかみ先生の解法テクニック、暗記法がつまった超便利な参考書です。途中で出てくるモチベーショントークが熱く、やる気を高めてくれます。
センター試験 化学の点数が面白いほどとれる本シリーズ
- 特徴:センター試験化学基礎を、ゆっくりていねいに解説。
- 難易度 化学基礎は★☆☆☆ 化学は★★☆☆
ぼくが高校生だった頃からある名著、面白いほどシリーズ。授業にはちょっとついていけなかったなぁ、なんて人におすすめです。センター試験に特化した参考書なので「化学」と「化学基礎」の2つのシリーズが用意されています。
自分の目的に沿って使いましょう!
化学の苦手はスタディサプリで克服

スタディサプリとは、月額980円でスマホやパソコンから超有名講師の授業が受け放題という超画期的なサービスです。
- PCやスマホからいつでも復習可能
- 通学の電車の中でも、カフェでも自習室でも勉強可能
- わからないところは何回も見直せる
- 3000以上の講座から自分のレベルにあった授業を!
- 映像授業は1.4倍速で視聴可能
これで980円なんてもう意味がわからないです(笑)
しかも今なら2週間限定で無料でスタディサプリ を使うことができます。
独学で勉強していく時に最もつまずきやすいのが、化学のような理系科目です。
だって何回解説を読んでも、わからないものはわからないですよね笑
しかし、スタディサプリ では大手予備校でも超有名だった講師陣が日本一わかりやすい授業を展開してくれています。
化学は駿台予備校でも講師を務めている坂田先生が担当。
とにかく声がしっかり通っていて元気いっぱいの授業をしてくれます。
暗記偏重型の受験化学に革命を起こしてくれる先生です。
化学の苦手はスタディサプリで解決しましょう!