物理の参考書の基本的な使い方
「物理の解ける問題を増やしていく」イメージ
物理の勉強は、問題集を中心に考えていくといいです。問題集を解き進める時は、「解ける問題を増やしていく」というイメージで勉強をしていきます。
この「解ける問題を増やす」という意味は、「解いた問題と同じ問題を1ヶ月後に抜き打ちテストされても解けるかどうか?」という基準で判断してください。
この状態になって初めて「解ける問題」と言い切ることができます。
僕はこの状態を「抜き打ちテストいつでも来い状態」と呼んでいます。
詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
難易度順 使用する参考書の流れ
使う参考書の流れはこんな感じです。
- 入門の参考書」
- 「入門の問題集」
- 「つなぎの問題集」
- 「受験校レベルの問題集」
順に説明していきましょう。
1:入門の参考書(講義系)
初学者の人、物理が苦手な人向けに書かれた、参考書です。後述する東進ブックスのはじめからていねいにシリーズは入門の参考書としてオススメです。
ただ、この入門の参考書は本当に物理が苦手な人のための参考書なので、物理が特別に苦手じゃない人は、飛ばしてもOKです。
2:入門の問題集
物理の基礎的な知識や、雰囲気をなんとなくつかめている人は、早速問題集にとりかかりましょう。物理は基礎から応用までたくさんの問題を解く必要があります。物理を勉強して間もない頃から、問題を解く経験をたくさん積んでください。
最初に解くべき問題集は「学校で使っている問題集」や「らくらくマスターシリーズ」がオススメです!
3:つなぎの問題集
物理が得意な人はいきなり次の「4:受験校レベルの問題集」に行ってしまっても構いません。
しかし難関大受験者では、「2:入門の問題種と」と「4:受験校「レベルの問題集」にはレベルの差がありすぎてステップアップがキツい場合があります。
こういうときは、つなぎでもう1冊、解いた方がいいです。
物理のエッセンスシリーズや良問の風シリーズ
がオススメです!
4:受験校レベルの問題集
最後に、受験する大学のレベルに合った問題集を解いていきます。
レベルは、「実際の入試問題より少し簡単」〜「実際の入試問題くらいのレベル」くらいの問題集を選びます。
有名なところでいえば「物理重要問題集 物理基礎・物理」や「名門の森シリーズ」
といった参考書がオススメです!
志望校に合わせて問題集を選択してください。
それでは次に、ここまで紹介した物理の参考書の特徴や勉強法について詳しく紹介していきます。
橋元の物理基礎をはじめからていねいに
◆特徴
入門の参考書。オーソドックスな講義系の参考書で物理が苦手な人にもおすすめ!
◆難易度
★☆☆
◆詳細
お決まりの「はじめからていねいに」シリーズ。
略して「はじてい」。
- 物理が初学の人
- 物理が苦手な人
こんな人はまず第一に手にとってみるべき参考書です。後述する「橋本流解法の大原則」と比べて、好きだなと思う方を選んでください!
【勉強法】
演習問題については、解けそうな問題があれば解いてみてください。解けなくても大丈夫です。「こうやって解くのかぁ」なんて思いながら、解き方を覚えていけばOK!
最低でも2、3回は読むつもりでいてください。理解できるまで繰り返し読みましょう。
ペースは授業のペースに合わせて、予習・復習をしていってください。
分からないところが出てきたらこの本に戻ってきましょう。
イメージでわかる物理基礎&物理 橋元流解法の大原則
イメージでわかる物理基礎&物理 橋元流解法の大原則(力学・波動) (大学受験BOOKS)
◆特徴
入門の参考書。「講義系の参考書」。タイトル通り、イメージを大切にしている印象。
◆難易度
★☆☆~★★☆
◆詳細
「はじめからていねいに」シリーズに比べて、イメージを重要視しています。
感覚的な理解を大切にしたい人は「はじめからていねいに」よりも「橋本流解法の大原則」の方がいいかもしれません。入門書は、これら2冊を読み比べて直感的に気に入った方を選べばOKです。
【勉強法】
基本的には上の「はじめからていねいにシリーズ」で説明したのと同じ勉強法で勉強します。
最低でも2、3回は読むつもりでいてください。理解できるまで繰り返し読みましょう。
授業の予週・復習に使ったり、テストの前に読み返したりしてください。
問題を解いていてつまずく部分があるときに、この本を読み返しましょう!
学校で買う問題集
学校で買う問題集は「センサー」や「リードα」シリーズが多いかな?
ここに挙げた問題集とは違うものでもOK。
◆特徴
入門の問題集。一概には言えませんが、授業をある程度理解すれば始められる問題集です
◆難易度
★☆☆~★★☆
◆詳細
「学校で買う問題集」は、授業をある程度理解すれば始められるレベルの問題集であるはずです。「超簡単な基礎問題」から「それほど難関でない大学の入試問題」まで、幅広く勉強できるのでおすすめです。
【勉強法】
まずは「学校で買う問題集」を何周も解くことで、基礎固めをしましょう。授業の進度と同じペースで宿題がでる学校も多いと思います。宿題は単なる宿題と思わず、しっかり理解するまで何回も解くようにしてください。
各分野の最初の問題、「超簡単な基礎問題」と次のレベル「基本問題など」は、全分野で完璧に解いてください。
らくらくマスター シリーズ
◆特徴
入門の問題集。基本問題を解いて基礎を固められる問題集。
◆難易度
★☆☆~★★☆
◆詳細
基礎から問題を解く練習ができる問題集です。「学校で買った問題集」が合わないなって人は、この「らくらくマスター」シリーズを検討してください。
【勉強法】
できるだけ授業のペースに合わせて解いていってください。すでに習った範囲については、苦手分野を中心に解き進めていきましょう。
物理のエッセンス シリーズ
◆特徴
入門の問題集。良問揃いの問題集
◆難易度
★☆☆~★★☆
◆特徴
浜島先生の名書。「力学・波動」版と「熱・電磁気・原子」がある。
良問揃いの問題集で、難易度的には、学校で買った問題集とそこまで変わらないです。
また難関大受験を視野に入れている人には結構おすすめです。というのも、のちに紹介する「良問の風シリーズ」および「名問の森シリーズ」と著者が同じだからです。
【勉強法】
基礎的な問題集(「学校で買った問題集」など)を一通り解いた人は、「物理のエッセンス」シリーズをやるといいです。「学校で買った問題集」とほぼ同時にやっていくのもありです。
基本の復習と、物理の基礎体力をつくる目的で、どんどん解いていきましょう。
良問の風 シリーズ
◆特徴
「エッセンス」と「名問の森」の中間、といった感じの問題集
◆難易度
★★☆☆
◆詳細
「良問の風シリーズ」の著者は、上で紹介した「エッセンスシリーズ」および下で紹介する「名問の森シリーズ」の浜島先生です。
難関ではない国公立レベルを受ける人は、最後に練習する問題集として「良問の風」か「名問の森」がおすすめです。
(「学校で買った問題集」→)「エッセンス」→「良問」→「名問」の中から受験校のレベルに合わせて、2つか3つほど選ぶのがいいです。
ちなみに名古屋大学工学部現役合格のぼくの場合は、「学校で買った問題集」→「エッセンス」→「名問」のラインで勉強しました。
【勉強法】
「良問の風」シリーズの問題はすべて解く価値のある問題です。苦手分野から勉強を始めて、気分が乗らない時は得意分野を解く、などしてすべての問題をマスターするようにしてください。
名問の森物理 シリーズ
◆特徴
難関大受験者向けの問題集
◆難易度
★★☆~★★★
◆詳細
「名問の森」の著者も浜島先生です。「良問の風」のところでお話したように、「物理のエッセンス」や「良問の風」を比べて、志望校に合わせて問題集を選んでください。
ちなみに名古屋大学工学部に現役合格したぼくは、主に「学校で買った問題集」→「エッセンス」→「名問の森の一部」を使って勉強していました。
【勉強法】
苦手分野を重点的に解いていってください。理解が足りない分野があれば、「エッセンスシリーズ」の基本問題で補強するといいですね。
物理が得意な人、物理を武器(主要な得点源)にするつもりの人は、すべての問題を解いてください。
実践 物理重要問題集
◆特徴
良問揃いの問題集で、難関大受験者におすすめの問題集。
◆難易度
★★☆~★★★
◆詳細
良問揃いの問題集で、難関大受験者は、この「重要問題集」もしくは「名問の森」を解いておくべきです。どちらを選ぶかは「好み」で大丈夫です。
ちなみにぼくは、「名問の森」派でしたが、飽きたときは、学校で買っていた「重要問題集」も少し解いていました笑
【勉強法】
時間の許す限り、多くの問題を解くようにしましょう。ただし、出会った問題はすべて、「受験本番で同じ問題が出たら、迷わず答えられるぜ☆」ってくらい深く理解してください。
物理の大学別過去問集
「東大の物理」「京大の物理」といった過去問集。
◆特徴
その大学の過去に出題された物理の問題が25年分収録されている。
◆難易度
★★★
◆詳細
自分の志望校バージョン「◯◯大の物理」がない場合は、全科目載っているバージョンでOK。
【勉強法】
何回も何回も解いて、「迷うことなく解答を再現できる」レベルまで勉強しまくってください。
高3の夏休みくらいから少しずつ解いていきましょう。「直前期に実力試しするためにとっておく」なんてことはしないでください。
早急に昨年分を解き、「自分がどのレベルまで解けるようにならないといけないか」を把握しましょう。
秋くらいから本格的に解き始め、センターまでに一通りやり切りたい。「センターが終わったら復習・確認」ってくらいまでやれると強い。
最後にセンター試験受験者にオススメの参考書も紹介いたします。
センター試験におすすめな物理参考書
マーク式基礎問題集物理基礎
◆特徴
センター試験を簡単にした感じの問題集
◆難易度
★☆☆~★★☆
◆詳細
センター形式の問題を解く入門として最適な問題集。分野別にセンター試験っぽい問題を練習することができます。
夏くらいにこの問題集をちらっと見ておいてください。「秋からこの問題集をやっていけるようになろう」と考えながら、上で紹介した問題集を解いてください。
【勉強法】
好きな分野から、分野ごとに1つずつ完成させていってください。秋から始め、年末までに完璧にマスターしてください。
センター試験物理過去問
◆特徴
センター試験で実際に出題された問題を収録
◆難易度
★★☆
◆詳細
説明不要ですよね。過去問です。河合塾、教学社から出ていますが、好きな方を選んでもらって大丈夫です。
【勉強法】
センター試験は、解いた量がとても重要です。なので、難関大受験者や二次試験に物理が必要な人は、一番古い問題まですべて、解いてください。
「古い問題は傾向が違うから解かなくていい…?」等の迷いは捨ててください。
二次試験で役立つので大丈夫です!
二次試験に物理が必要でない人も、5年分は解いて傾向をつかみましょう。
センター物理予想問
駿台の「センター試験実践問題集」や河合塾の「マーク式総合問題集」。
◆特徴
各予備校の「センター模試」で出題された問題を収録。
◆難易度
★★☆
駿台の「センター試験実践問題集」や河合塾の「マーク式総合問題集」、どちらを使っても構いませんが、河合の方は「マーク式基礎問題集」とかぶることがあるので、個人的には駿台派。
難易度は駿台>河合。
【勉強法】
「過去問」と同じ使い方でOK。「過去問」と同時並行で解いていきましょう。
1月はこの「予想問」と「過去問」をみっちり解いて、センター試験を突破してください!
センター試験物理の勉強法は下の記事で詳しく紹介しています!
物理の苦手はスタディサプリで克服!

そもそも、物理の勉強は英単語や社会科目のように暗記でなんとかなるものではありません。
正しい知識をしっかりと理解しなければ、いくら時間をかけても無駄に終わってしまいます。なので、物理が苦手な人は、特に授業での理解が必須です。
逆に質の高い授業で基礎をしっかりと固めれれば、最速で数Ⅲを攻略することが可能です!
ただ、予備校に通うとなると、手続きもめんどくさいですし、「物理の力学の授業だけを受けたい!」というようなピンポイントな学習は不可能です。
それに、あなたも手続きなんかに無駄な時間をとられたくないですよね?
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