大学受験の化学は「難しい、分かりづらい」単語のオンパレード。
そのなかでも、分子間力が理解できずに苦しんでいる人は非常に多いです。
しかし、この分子間力やファンデルワールス力に関する理解は、センター試験や2次試験の化学での基礎得点になります。
ぶっちゃけ、ここで点数を落とすのはもったいないです。
そこで今回は、化学を武器に慶応合格を勝ち取った私が、受験生の間違えやすいポイントを意識して丁寧に解説しますね!
分子間力とファンデルワールス力の違い

そもそも、この「分子間力」と「ファンデルワールス力」をごっちゃにしている人が多いのですが、この2つは同一のものではありません。
分子間力のひとつに、ファンデルワールス力が含まれているというのが正しいです。
具体的には、分子間力と呼ばれるものは以下のようなものがあります。
(強い力)
- イオン間相互作用
- 水素結合
- 双極子相互作用
- ファンデルワールス力
(弱い力)
ファンデルワールス力とは
ファンデルワールス力の本質を正しく理解するには、大学で習う知識が必要です。
しかし受験に打ち勝つには、ファンデルワールス力を簡単に理解しておけば大丈夫なので、ここでなるべく簡潔に説明しますね!
ファンデルワールス力とはなにか?と質問をされたときに最も簡潔に答えるなら、その答えはズバリ、
「電荷をもたない分子のあいだに働く微弱な引力」
です。
僕たちはこれまでに、電荷をもっている分子同士には引力か斥力(クーロン力)が働くことを学んできましたね。
でも実際には、電荷をもたない分子(無極性分子)のあいだにも、力が働いているのです。
じゃあなんで電気的に中性な分子のあいだに引力が働くのか、図を使って確認してみましょう。
例えばヘリウム原子について考えてみると、原子核が+2、その周りを電子-1が2つ回っているので、その単一原子を見た時は電荷はゼロ、つまり電気的には中性ですよね。
でもちょっとまってください。
この原子の周りをぐるぐるしている電子は、一瞬一瞬違うところを動いていますよね。
そうすると実は、原子のなかで電荷の偏りが起こっちゃうんですよ。こんな風に↓

このようにして瞬間的な分極が起こってしまうので、どんな分子のあいだにも引力が働きます。
わかりやすく図で示すとこんなイメージです。
そしてこの微弱な引力のことをファンデルワールス力というのです。
ファンデルワールス力にまつわる重要事項
ファンデルワールス力に関する入試問題に取り組むときに把握しておくべき重要な点は、以下の3点です。
- 分子量
- 分子の表面積
- 分子の極性
分子量が大きいと、ファンデルワールス力の形成に関わることができる電荷の量が多くなりますよね。
つまり、分子量が大きいとファンデルワールス力は大きくなります。

物理選択の人はクーロンの法則を思い出してみると簡単です。
クーロン力は質量が大きいほど大きく、そして距離が近いほど大きくなりましたね。
そして表面積が大きい分子は、分子同士が接近したときにファンデルワールス力を形成できる領域が広がります。
なので、表面積が大きければ大きいほどファンデルワールス力は大きくなります。
この分子の表面積は分子の形状から予測できますよ。

最後に極性について。
極性が強い分子というのは、プラスの電荷とマイナスの電荷の偏りがそれぞれ大きいことを意味しています。
プラスの電荷とマイナスの電荷がそれぞれ大きくなれば、引力はより大きくなりますよね。
よって極性が強い分子のファンデルワールス力は大きくなります。

ファンデルワールス力を練習問題で理解しよう
ではファンデルワールス力についてきちんと理解できたかどうか、練習問題を解いて理解度をチェックしてみましょう!

自分なりの答えは出せましたか?
答えが出せたら以下の解説を読み進めてみて下さいね!
まず、ファンデルワールス力を把握するうえで重要なのは、
- 分子量
- 分子の表面積
- 分子の極性
3つの要素でしたね。
まずメタンもヘリウムもどちらも無極性分子ですね。
なので、分子の極性には差がありません。
また分子の表面積、すなわち分子の形にはさほど差がありません。
そうすると重要になってくるのは、それぞれの分子の分子量です。
メタンの分子量は16。
ヘリウムの分子量は4です。
よってファンデルワールス力が強いのは、分子量の大きいメタンとなります。
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化学の勉強をしていると、「分子間力」や「ファンデルワールス力」のような紛らわしい単語が出てくることが多いです。
このような基礎の理解はもちろん教科書や参考書でも学ぶことはできますが、学習効率としては非効率です。
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